近年では、クラリネット楽器のメーカーが管体と同じ素材以外にも、様々な素材、様々な形状の互換バレルを作っている。そうすることで、様々な組み合わせを試すことができる。バイオリンはこういったパーツの組み合わせを考えることがほとんどないので、こういった楽しみはない。バレルの長さが楽器全体のピッチを変化させるため、各メーカーで長さの異なる純正バレルを何種類か用意している。ここからは、管体について書いていく。管体の素材としては、木製が最も一般的とされる。具体的に示すと、グラナディラという、黒檀に似た、黒くてかたい木が使われている。グラナディラの正式名称は、アフリカン・ブラックウッドである。アフリカン・ブラックウッドは、アフリカの熱帯季節林に生息する、マメ科ツルサイカチ属の被子植物である。生息範囲としては、セネガル共和国から始まり、東はエリトリア国、南は南アフリカ共和国のトランスヴァール共和国にかけてである。